神さまの拝み方ー 天地の神へのごあいさつ ー
神さまの拝み方ー 天地の神へのごあいさつ ー
その1.神を拝むとは?
神を拝むとは、こちらの想いを神さまに伝える手紙のようなもの。神を敬う心で手をあわせて、お願いごとをしたり、お礼を申したり、自らのあやまちをお詫びしたり、祝詞(のりと)を奏上したりする行いです。
神さまの拝み方にはサッと短くかんたんな拝み方から、丁寧に神名を唱える拝み方まであります。はじめてのうちはやさしい拝み方をして、慣れてきたら段々とちゃんとした拝み方を覚えていくとよいでしょう。
その2.どんな時に拝めばよい?
神さまを拝むときはお願いごとがあるときや、お礼を申したいとき、また、神さまへご無礼があったと感じお詫びをしたいとき、物事の右左をお伺いをするときなどに拝みます。
他には、ごはんを食するときに「いただきます」と言って食べるように、外に出かけたときや、車に乗るとき、お風呂に入るとき、仕事に手をつけるとき、夜寝るときなど行動の節目に拝みます。
また、一日のはじまりと終わりにごあいさつとして神を拝むとよいでしょう。朝起きたら夜にお守りをいただいたお礼を申して一日中のことを上から下まで願い、日が暮れたら一日のお礼を申して夜のお守りをお願いします。
その3.どこで拝めばよい?
天地の神さまへは願う心があれば、どこから願っても届くものです。神棚の前はもちろん、道を歩いているときや車を運転しているとき、職場からでも、トイレからでも、布団の中からでも一心に拝めば神へと届きます。
むしろ神棚の前だけではなく、いつでもどこからでも願うのが神へ親しいあり方です。人は天と地の間に住むので、心で願えばどこからでも届きます。天地の神には昼も夜も遠いも近いもありません。
その4.やさしい拝み方
やさしい拝み方はとても簡単です。胸の前で両手を合わせて、そっと目を閉じて、願いあることやお礼やお詫びを心の中で神さまへ伝えます。また、人前や時間がないときは、心で人にものを頼むように思えばそれで神さまへと届きます。
その5.中くらいの拝み方
次は中くらいの拝み方。神様を拝むには二礼・二拍手・一礼が有名ですが、それに比べるとすこし複雑です。
一礼をして、手を4回叩き、一礼する。
※手を叩くことを、神門拍手(しんもんかしわで)とよび、神が扉を開けて人の願いなどを聞き入れる。
「てんちかねのかみ、こんこうだいじんの手続きにてお願い申し上げます。」と唱えてお礼、お詫び、お願いなどを申し上げる。
※「こんこうだいじん」とは神の使いのことで、この方に祈れば、願いが通りやすくなる。
一礼をして、手を4回叩き、一礼する。
その6.かっちりした拝み方
次はかっちりとした拝み方。なかなか複雑なので慣れてきた方へお勧めします。
一礼をして、手を4回叩き、一礼する。
「にってんし、がってんし、うしとらひつじさる、きもんかねのかみ。こんこうだいじんのお手続きにてお願い申し上げます。」と奉唱する。
自分のおかした過ちがあればお詫びをして、お礼、お願いの順番に祈念をする。また、世の中のことや他人のことを祈るときは、自分の願い事よりも先に他人のことを願う。
一礼をして、手を4回叩き、一礼する。
その7.拝む心得
・小さい音でも神へは届く
拍手を打つ時に無理に大きな音をさせたり、祝詞やお経を奏上するときに無理に大きな声であげる必要はありません。小さい音でも神さまへは十分に届きます。また、祝詞を奏上するにも節をつけずに、人にもの言うようにあげましょう。神のある暮らしは、ひそかにすることが大切です。
・長い祈念はいらない
神さまを拝むのに長い祈念や奏上はいらず、その日その日で差支えないように拝み、長く続いていくことが何よりも大切です。大祓詞を奏上するほど力がつくといって、千度、万度とあげる人がいますが、毎日何十巻も奏上すれば、仕事に差支えができ、また、神がそれを受け取らなければ、時間だけが消えてしまいます。天地の神さまを拝むのに長い祈念は必要ありません。たった一度の奏上でも、神に一心が通じればそれで神へと届きます。
・神へ本気で向かう
神さまを本気で拝むには拍手を打って神前へ向かったら、物音などに気をとられないように一心に神へと向かわねばなりません。たとえ後ろから槍先で突かれても振り向きはしないという心がけをして一途に向かいましょう。拝んでいる途中に雑念が浮かばなければ、その人は神と伝えられます。
・儀式ばかりに流されてはいけない
神のおかげは、自身の心にあります。神さまを盛大に祀り、ありがたそうに祝詞を奏上しても、家族の者を怒鳴りつけたり、つねに争いが絶えないようではおかげになりません。形や儀式ばかりに目がいき、心がほったらかしにならないように注意が必要です。
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