こんにちは、タツノトシです。
5年前から、コツコツと徳積みに励んでおります。
「徳」とは、精神修養によって得られるすぐれた品性であり、「徳を積む」とは、その品性を得るために善行を重ねることをいいます
しかし、徳とは抽象的な概念なので、これだけ聞いても何のことかサッパリわかりません。本記事では、誰もが徳積みを実践できるようにあらゆる方面から徳積みを解説いたします。
「徳を積む」の意味とは?
「徳」とは大きく分けて3つの意味があります。1つ目は、優れた人に備わる品格。2つ目は、神仏の恩恵。3つ目は、富や財産、利益です。
つまり、「徳を積む」の意味とは、善行を重ねることでそれらを得ること。一連の流れで解説すると以下のとおりです。
- 善行を重ねる
- 「徳」(優れた心)を得る
- その心に神仏の恩恵を受ける
- 結果、財産・人間関係・健康などの利益を得る
「良い行いをすれば(1)、良いことがある(4)」や「良い行い(1)は必ず神様が見ている(3)」と言うように、「徳を積む」とは、善行を積み重ねて恩恵を受けることを指します。
徳を積むメリット
以下は徳によって得られる恩恵です。
- その①:お金に恵まれる、出世する
- その②:人に恵まれる
- その③:健康になり、天命をまっとうする
- その④:子孫に恵まれる
- その⑤:他の人を助けられる
順に解説いたします。
その①:お金に恵まれる、出世する
人徳は、人からの信用に直結するため、徳を積めば出世をし経済的に恵まれます。
経営者が徳や人間的成長を大事にするのは、人間の品格を改善すれば徳を受け、徳を受ければ人から信用され、信用されるとお金が入るという構図があるからです。
金銭に直結する徳を積むには、
倹約・潔い心で働く・早起きなどがあります。
その②:人に恵まれる
他人に対する思いやりの心をもつ「仁徳者」は人間関係に恵まれます。
その理由は2つあります。1つ目は、「類は友を呼ぶ」というように、品格の高い人は、品格の高い人との繋がりが多くできる。
2つ目は、「人は善悪の友による」というように、周りにいる人間の品格を向上させる力を持つからです。
人に恵まれる徳を積むには、
愚痴・不足・悪口を慎む・困っている人を助けるなどがあります。
その③:健康になり、天命をまっとうできる
神徳を積む人は健康になり、天より定めれた寿命をまっとうできるといいます。
なぜなら神より与えられた、食物に礼を申し、大酒大食を慎むからです。現代の生活習慣病の多くは食への怠慢や精神的ストレスからが大きいでしょう。
健康・寿命長久に直結する徳を受けるには、
食物を有難くいただく、体の丈夫を願う、心の修養などがあります。
その④:子孫に恵まれる
神徳を受けた者は子孫に恵まれます。子供とは天と地の子、御霊は天より、体は地より授かるからです。
私の妻の祖父は、徳者と称された方ですが孫が25人います。ひ孫となると何人いるか分からないくらいの子孫繁昌です。このように神徳を受けた者は後々まで子孫が続きます。
子孫に恵まれる徳を受けるには、
神に子孫繁昌を願う、胎教を心得るなどがあります。
その⑤:他の人を助けられる
徳を受けたものは、困っている人を助けられます。
これは、人にものを頼む時に、懇意な人が頼めば承諾を得やすいように、神に近い人が願えば、その周囲の人が恵まれやすくなるからです。
他の人を助ける徳を受けるには、
自分の事より先に人のことを願う、教え導く(仏教でいう法施)などがあります。
徳の種類
徳には様々な種類の徳があり、徳によっても身につける方法がちがいます。ここでは欲得・神徳・人徳の3つに分類して紹介します。
欲徳(よくとく)
欲徳とは、強く欲する徳。平たくいえば、「欲」をコントロールして良い方向に使うことです。
欲深い人は、悪い人と言われることもありますが、欲が無ければそもそも人間の繁栄(種の存続や発明)はありません。
人間には三大欲求である食欲・睡眠欲・性欲をはじめ、危険を回避したい、仲間が欲しい、人に評価されたいなどの多様な欲があり、その欲を満たすに行動するのです。
歴史に名を残す偉大な人物になるか、はたまた刑務所に入獄するか。それは、ある意味、紙一重です。
同じ欲でも、善の方へ強く働けば「欲徳」、悪の方へ強く働けば「欲得」となります。欲得とは、利得をむさぼることで、悪い意味で使います。
徳を積む人は、善の方へと欲を強く働かせねばなりません。なので、欲を捨てるという考えよりも、適切な方へと欲を強く引き出すことが大切です。
神徳(しんとく)
神徳とは神の威力であり、神信心をすることで受けられます。
- ①神徳は神の力
- ②その力を授かることで利益を受ける
- ③広大な神徳を積めば、特別な力を発揮する
①神徳は神の力
神徳とは神の威力であり、日光・雨風・四季などの守りから天災、人間・草木・動物の進化や生死などを司る天地の働きそのものです。
②その力を授かることで利益を受ける
人が願い、神の威によって病気が治ったり、子どもを授かったり、良い人と結婚できるといった特別な恩恵を受けることを「神徳を受ける」といいます。
一般にいう「ご利益を授かる」と同じ意味です。
③広大な神徳を積めば、特別な力を発揮する
広大な神徳を受けた人を「徳者(とくしゃ)」「神徳家(しんとくか)」といいます。
徳者は神の信用を得るため、以下のような利を得ます。
- 大きな願いが成就しやすく、健康、お金、子孫に恵まれ、それらが末永く
- 他の者を願えば、その人の願いが成就しやすくなる
- 人間の死期、雨の降り照り、産まれる子の性別、ご利益を受ける日などを知れる
祝詞の六根清浄大祓(ろっこんのはらい)に「人はすなわち天下の神物(みたまもの)なり」とあるように、人間はみな、生きながらにして神の分霊をもちます。
その分霊(心)を磨き、神性が現れたときに広大な神徳を受け「生きながらの神」になる。それが神徳家です。
人徳(にんとく・じんとく)
人徳とは、人間の努力で得られる徳。人からの信用です。権威・権力・お金・学問・信頼を持つ人を指して「人徳がある」といいます。
以下は徳を分類した徳目です。一般的に「徳がある」と称される人は、このような品性をかねそなえた人格者を指します。
- 仁・・・人にたいする親切心、思いやり
- 義・・・私利私欲に迷わず、正しい道をすすむ
- 礼・・・上を敬い、下に恵む
- 智・・・物事の道理をよくわきまえる
- 信(誠、真)・・・嘘、偽りを言わない
- 孝・・・親に仕える
- 忠・・・国、主君に対して仕える
- 中庸・・・物事の判断を偏らず柔軟であること
- 謙虚・・・うぬぼれず、頭が低いこと
- 智慧・・・物事の分別がつくこと
- 勇気・・・怖じけず、信念をつらぬく
- 節制・・・欲望に負けず、つつしむ
- 忍耐・・・辛さを耐え忍ぶ
- 愛・・・人をいとおしいと思う
徳の性質
徳には2つの性質があります。
- その①:徳は尽きることがない
- その②:徳は子孫までも残る
その①:徳は尽きることがない
徳は、よく商品(ラッキーな出来事)と交換するポイントに例えられます。しかし、徳とは心の性質で得るものなので、一度身につけば消費せずに持続します。
もし、徳をポイントのように消費してお金や人気と交換するのならば、徳はすぐに底を尽きてしまうでしょう。
徳とは、「使こうて減らぬ千両箱」であり消耗品ではありません。
徳は信用です。人は信頼されるうちは尊敬されますが、不祥事を起こせば人は離れていきます。
同じように、身に徳があるうちは恵まれ続けますが、もし、身の徳を落とせば恵みも一緒に離れていきます。
その②:徳は子孫までも残る
親子の顔や能力が遺伝するように、「徳」や「めぐり」は子や孫までも残ります。
日頃から親が子どもに対して「バカ」「お前」「早くしろ」といった言葉遣いで接すると、子供も同じ言葉を使うように育ちます。
水は方円の器に従うように、子供は親の心に従います。悪い心であれば子もその形に従うように悪くなり、徳のある心ならば子供もその影響を強く受けるのです。
親が徳を受ければ、子孫までもが潤いますが油断はできません。
「長者に二代なし」というように、親に徳があっても子供が慢心をすれば、恵みはすぐに取り外されてしまうからです。
そのため、徳積みとは一代に限らず末代まで続かねば繁昌しません。子や孫は苦労を知らずに恵まれる傾向があるので、徳のある親をもった人はとりわけ謙虚な心が大切です。
徳を積む方法は心得を行動に移すこと
心得を知っていても行動が伴わなければ、徳は積めず、また、行いが立派であっても心得がなければ徳はつめません。
筋トレに例えれば、いくらトレーニングの種目やサプリメントの成分のうんちくを語っても、実際に行動にうつして継続をしなければ筋肉はつきません。
かといって、知識に乏しく、質素な食事や誤ったフォームのトレーニングを重ねても望むような筋肥大はおきません。
「知識」と「トレーニング」があわさってはじめて筋肉がつくように、「心得」と「行い」が揃ってはじめて、徳を積むに至るのです。
心得を知る
むかしから徳を積む人は、先人の残した「心得」や「教え」や「教訓」を大切にしました。心得とは、先人が培ってきた経験や成功法則がギュッと詰まった結晶です。
心得は短くシンプルであるために、本質以外はきれいに削ぎ落されており無駄がありません。また、核心をついておりいつの時代になっても通用します。
例えば、
「夫婦は膳の上の箸のようなもの」
この14文字の心得をどう解釈できるでしょうか。
夫婦とは男と女が揃ってはじめて物を掴むことができる。箸が一本では物がつかめないように、夫婦仲が悪かったり、バラバラになっては幸せを掴むことはできない。
夫婦は、子育てや収入を増やすなどの目的を共有するパートナーであり、喧嘩をせずに仲睦ましく家事・育児・仕事などに尽力すれば、夫婦揃って財産・子供・社会的地位などを築くことができるといった意味です。
このように、心得とは短い言葉でありながら、内容が濃く時代を越えて万人の役に立ちます。
心得とは生きていく中で、仕事、家族、病気、人間関係などから生じるいくつもの苦難を乗り越え、小さな悟りが少しずつ加味されて、重い言葉へと変わっていきます。
心得を行動に移す
徳を積むには心得を学び、自分の身の上に照らし合わせて、それに基づいた行動が必要です。
例えば、先ほど紹介した下の心得を具体的にするとどうなるでしょう?
「夫婦は膳の上の箸のようなもの」
- 相手に寄り添う
相手に寄り添うとは具体的にどうすればよいでしょうか?
- 自分の主張を無理に通さずに、相手の主張を素直に聞き入れる
相手は具体的にどんな主張をしているでしょうか?
- 育児に関する話を聞いて欲しい
- ゴミ出しをやって欲しい
- ありがとうの一言が欲しい
つまり、具体的な行動とは
- 妻と話す時間を作る
- 育児について気になることはちょくちょく尋ねる
- 週2回のゴミ出しを行う
- 甘いものを添えてお礼をいう
このように具体的にしていけば、最後は生活の中の些細な行動にたどり着きます。
しかし、これを粗末にせずに黙々と改善していけば徳を積めます。なぜなら人間の生まれてから死ぬまでの一生は、小さい「今」の積み重ねでできいるからです。
心得を学び、それに基づいた具体的な行動をすれば、身に徳を積むことができます。
徳を積むための心得と行い
徳を積むための心得は、今自分が直面している問題や解決したい悩み事、欲しいものに関係するものがよいでしょう。その方が欲をうまく使えるからです。
金神乃宮では、30を越える様々な項目別の心得を紹介しています。ここでは、その一部と具体的な行いを紹介いたします。
親孝行
- 親の恩を思いつく限り紙に書きだしてみる
- 自分にかかった養育費を計算する
- 子育てを通して親の苦労を知る
堪忍
- 自分が正論を言っていても、喧嘩になりそうなら素直に折れる
- 理屈を考えるよりも、相手の感情を考える
夫婦間
- 女性を叩いたり、泣かせたりしない
- 天より与えられた男女の特性を尊重する
- 女はこうあるべき、男はこうするべきという考えを外す
養育
- 子供を叩いたり、怒鳴ったりしない
- 子供の悪い所を見て、自分の悪心悪行を直す
人間関係
- 悪口の矛先をうまい具合にそらす
- 愚痴・悪口ばかり言う人とは距離をおく
- 神に悪口を言う者の改心を願う
忠義
- 国から受けた恩恵を調べる
- 皇室、政治家への不平不足を慎む
仕事
- 夜遊びせずに早く寝る
- 早起きをする
- その日の目標やノルマを定める
お金
- 缶コーヒーなどを買わない
- 支出を書きだして無駄を削る
- 先の為になる事にお金を使う
物を大切にする
- 水神さまを拝んで使う
- 節水する
金神乃宮のジャンル別心得集は下記リンクから
心のお守り
金神乃宮のお守りは肌身につけるお守りではなく、心にかける守り。
忘れないようによく心がければ、神さまがお守りくださります。
金神乃宮のお守りは肌身につけるお守りではなく、心にかける守り。忘れないようによく心がければ、神さまがお守りくださります。
徳者・神徳家として称えられた人
広大な徳を受けて歴史に名を残した方はたくさんいますが、ここでは人徳・神徳を受けた3人を紹介いたします。
松下幸之助(まつしたこうのすけ)
パナソニック(旧松下電器)を一代で築き上げた経営者で、「経営の神様」と称されます。「人間として一番尊いものは徳である」と語り、倫理教育・人材育成にも注力しました。
「松下電器は何をつくるところかと尋ねられたら、松下電器は人をつくるところです。併せて電気器具もつくっております。こうお答えしなさい」
松下幸之助 物をつくる前にまず人をつくる
心の育成に力を注いだ松下幸之助ですが、なかでも「素直な心」が徳の要と考え、「私心にとらわれない」「耳を傾ける」「寛容」「道理を知る」など10箇条にわたってその深さを説きました。
二宮尊徳(二宮金次郎)
薪を背負って本を読む姿でお馴染みの二宮尊徳(にのみやたかのり)は、江戸時代に荒廃した農村を含む600村の復興に尽力した、農政家・思想家です。
「土地が荒廃する原因は、人の心にある」と考え百姓の意識改革を行い、自立させるための政策を指導し、多くの人を貧困から救いました。
天地、父母、祖先から受けている恩徳に感謝し、その恩に報いる独自の思想「報徳思想」を広め、多くの実業家や経営者に影響を与えました。
以下は、二宮尊徳の教えです。
「積小為大(せきしょういだい)」
大きな成果を望む人は、小さな積み重ねを粗末にせずに努めること。大きな事を成し遂げたいと思いながら、小さな事を粗末にして、成果が出ないと嘆くのが、未熟な人の通有性である。
「小」を積み重ねれば、「大」となる。小さな事を怠らずにコツコツ積み上げれば、かならず大を成し遂げられる。
「たらいの水」
たらいに入った水を自分の方へ、自分の方へと引き寄せようとするほど水は向こう側へと逃げていく。水を相手の方へ贈ろうと押しやれば、自分の方へと帰ってくる。
金光大神(こんこうだいじん)
金神乃宮でお祀りする、赤沢文治(金光大神)は江戸時代の百姓でありながら神徳家と称された方です。
金光大神は幼少の時から、神仏を拝み村人からは「信心文さ」と呼ばれました。
ある正月をきっかけに神からの「お知らせ」を受けるようになり、雨の照り振り、農業の指示、コレラの対処法など、当時の人で知り得ないことを教えてもらいました。
以下は江戸時代のお産の奇習です。
- 腹帯…胎児が大きくなると難産になると考えられ、妊婦は腹帯をきつく巻いて胎児の成長を阻害した。
- 毒断ち…妊産婦には特定の食べ物が毒になると考えられ、食べてよいものは米粉の団子汁、里芋の茎の味噌汁、鯉の味噌汁などかなり制限された。
- よかり物…妊産婦は横になって寝ると血の道という病気になるといわれ、産後一カ月ほどは、俵などに寄りかかって寝た
- 初乳を捨てる…産後すぐに出る初乳は、新生児に免疫力を与える成分が含まれるが、当時は毒になるといわれ捨て、代わりに薬草を飲ませた。
金光大神はこれらの風習を否定し、食べたいものをいただき、お産は横になって行い、産後は横になって休み、生まれた子供には初乳をやるようにと人々に伝えます。
金光大神は農業のかたわら、訪ねて来る人の願いを神に取り次ぎ、道理を話して聞かせました。
神徳による霊験はめざましく「目が見えるようになった」「足が不自由な者が立った」「妊婦のはしかが治った」と口伝えで広まり、「大谷の金神様」と殿様や藩士までも訪ねて参るようになりました。
徳積みで人生を変えよう
「徳を積む」といっても、実際なにから手をつけてよいのか分からないと思う方もいると思います。
そんな方は、目標・現在直面している問題・悩み事などを神さまへお願いつつ、その願いに関係する心磨きをお勧めします。
例えば、夫婦仲が悪いならば、神に願いつつ夫婦円満の心得を学び、金銭に不自由しているのならば、神に願いつつお金に関する心得を実践する。
そのような生き方が、無理なく自然に徳を積んでいく生き方です。
ネット神社「こんじんの宮」は神に願い、徳を積み、昨年より今年、今年よりも来年と一年勝りに繁昌することを目的としたサイトです。
詳しくは下記リンクご参照ください。今回は以上でございます。