こんにちは、タツノトシです。
先祖から四代にわたり、方位の神さまに仕えることを生業としています。
年が明けると方位除けを行う方が多くなりますが、「本当に必要?」と思う方もいるのではないでしょうか。
方位除けとは、一言でいえば方位占いで凶になっている人が受けるお祓いです。
例えば、2021年は二黒土星(困難宮)、九紫火星(鬼門)、三碧木星(裏鬼門)、六白金星(八方塞がり)の本命星を持った人がお祓いが必要と言われます。
三碧木星 | 二黒土星 | 九紫火星 | 六白金星 |
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平成27年 | 平成28年 | 平成30年 | 令和3年 |
平成18年 | 平成19年 | 平成21年 | 平成24年 |
平成9年 | 平成10年 | 平成12年 | 平成15年 |
昭和63年 | 平成元年 | 平成3年 | 平成6年 |
昭和54年 | 昭和55年 | 昭和57年 | 昭和60年 |
昭和45年 | 昭和46年 | 昭和48年 | 昭和51年 |
昭和36年 | 昭和37年 | 昭和39年 | 昭和42年 |
昭和27年 | 昭和28年 | 昭和30年 | 昭和33年 |
昭和18年 | 昭和19年 | 昭和21年 | 昭和24年 |
人口の約半分くらいの人がお祓いを受ける対象にあてはまりますが、祈祷料が5千~1万円ほどかかるので、躊躇する方もいるのではないでしょうか?
結論をいうと、「方位除け」や「八方除け」をしなくても、神に願えば大丈夫です。本記事ではその理由について解説していきます。
方位除けは不要
その理由は以下の2つです。
- 凶だから必ず悪いことが起こるわけではない
- 方位除けは方位を司る神に対して無礼
順番に解説いたします。
凶だから必ず悪いことが起きるわけではない
九星は、生まれ年に9つの本命星を割り当てて鑑定をおこないますが、このような単純な法則で人の運命を予測するのは不可能です。
なぜなら、人間の運勢とは、第一にその人の持つ心・先祖からの巡り合わせ(遺伝など)・時勢(時の成り行き)などが複雑に絡み合って決まるからです。
なので、生年月日でひとくくりにまとめて、「2015年生まれの人は不幸せになります」「2014年生まれの人は幸せになります」と白黒つけて判別できる代物ではありません。
ちなみに私は、三碧木星なので2020年は困難宮の年でしたが、特に困難な出来事はなかったです。
しいていえば、子供が生まれて家事・育児で忙しくなりました。でもそれは、幸せな忙しさです。
人間の運命は、千差万別であり、人によってそれぞれ違います。なので、今年は運勢が悪い年と人にいわれても、悲観的になったり、怯えて過ごす必要はないのです。
方位除けは方位を司る神に対して無礼
九星では暗剣殺・五黄殺・本命的殺・本命殺・歳破といって、色んな方位を凶といいます。また、鬼門・裏鬼門・困難宮・八方塞がりなど何でもかんでも「悪し」といいます。
これは神に対してご無礼です。
なぜなら人が凶方位という方角でも、日は照り、雨風は吹き、地からは草木が生え育ちます。これ神のお守りくださる証であり、むかしから「天は父、地は母」と伝えられるゆえんです。
神が恵み守る土地に、なんやかや屁理屈を言って、「悪い方位だ」「避けなければ命がないぞ」というのは、神のみ心にかないません。
わたしたちの住む地上は、神のお守りのあるご地内。いわゆる神域。なので鬼門除け・方位除け・八方除けで封じようと考えるよりも、神の守りを願うべきです。
- 凶だから必ず悪いことが起こるわけではない
- 方位除けは方位を司る神に対して無礼
以上の理由から方位除けは、不要です。
それでも「九星のいう凶方位は、昔から語り継がれた歴史ある理論だから、やっぱり気になる」と思う方もいるかもしれません。
古いから正しいとは限らない
天動説が誤りで、地動説が正しかったように、「昔から言い伝えられている=すべて正しい」ではありません。
例えば、江戸時代は初乳を捨てていました。初乳とは、赤ちゃんが産まれた後に出る母乳のことで、成長因子を多く含み赤ちゃんの免疫力を高めることから「黄金の液体」とも言われます。
母親から子供への初めてのプレゼントですが、江戸時代の常識では赤ちゃんにとって毒になると考えられ捨てられました。
代わりに五香という薬草を煎じて飲ませていたそうです。
江戸時代には、このようなお産に関する迷信が多くあったので、死産数・乳児死亡数は現代に比べてかなり高かったようです。
「古くから続いた」「古くからの習わし」というだけで信用があるように感じますが、必ずしもそれが正しいとは限りません。
高額な祈願祈祷=安心ではない
願うといっても、高額な初穂料を納めなくても一心あれば神へは通じます。神の力添えとは金銭の大小ではなく、神を敬う心にあるのです。
初穂とは本来、その年の一番はじめに出来たお米を神さまに奉るという意味で、それが転じて、「初穂料」つまりお金を納めるようになったのです。
つまり、たくさん供えるから願いが成就するのではなく、願いが成就したお礼に真心から供えるのが正解です。
神は、真心からのお供えは喜びますが、人間氏子が腹を痛めてのお供えは喜ばないので、高額な祈祷料を納めたからといって、必ずしも災難がなくなるとも限りません。
神の恵み・力添えとは願う者、本人の心にあるのです。
結論:ふつうに神に願えばよい
方位除け・八方除けをしなくても、自分の頼る神さまへお願いすればよいと思います。
一年中の家族の安全、体の丈夫、仕事や育児、悩み事など一から十まで丁寧に真心をもって願ってみてはいかがでしょうか。
もっというなら一日の朝に拝んで一日のお願いして、日が暮れたら拝んでその日のお礼を申せばよいです。
今月今日、その日その日のにお頼みすれば、運勢は良い方へと転びます。今回は以上です。