こんにちは、タツノトシです。
先祖四代にわたり、神に仕えることを生業としております。
一般に安産祈願を行うのは、戌の日以外であれば「大安」や「天赦日(てんしゃにち)」や「一粒万倍日」などが縁起がよいと言われます。
しかし、安産祈願を行うのに日柄(日の吉凶)を気にする必要はありません。
安産祈願を行う日は、以下のような日がおすすめです。
- 妊婦の体調が優れる日
- 家族の都合がよい日
- 気温や天候がよい日
- 真剣に神へと向える日
安産祈願とは風習的な側面が強くなっていますが、本来の目的は、神に軽いお産と母子の安全を願うことです。
「あの日は吉」「この日は凶」と日柄の良し悪しを言っては、日の神さまへのご無礼になります。
本記事では、以下の内容について解説します。
- 安産祈願は戌の日以外でもよい2つの理由
- 安産祈願に日柄の吉凶を気にしなくてよい理由
- 安産祈願を行うのに本当におすすめの日
安産祈願は日柄に左右されずに、神へと真剣に願い、安産のおかげをいただきましょう。
安産祈願は戌の日以外でもよい2つの理由
安産祈願には、多くの妊婦さんが安産祈願を行いますが、戌の日以外でも何も問題はありません。その理由は以下の通りです。
- 戌の日に行う「帯祝い」の腹帯が難産を招く原因
- 日柄の吉凶と安産・難産の因果関係はない
順々に解説いたします。
戌の日に行う「帯祝い」の腹帯が難産を招く原因
安産祈願とは、別の名を「帯祝い」とよび、妊婦が妊娠5ヵ月目の戌の日に岩田帯(腹帯)を巻いて安産を願う行事です。
帯祝いが戌の日に行われる理由は、犬が「安産の象徴」とされるからです。
戌の日に「犬のような安産に」と願い込めて腹帯を巻くのですが、実はこの腹帯を巻くことが難産の原因となります。
具体的な俗習は以下の通りです。
「毒断ち」…妊婦になると多くの食べ物が毒になるといわれ、厳しい食事の制限をされた。
「初乳を捨てる」…産後すぐに出る初乳は毒と言われ捨てられた。
「五香」…生まれたばかりの子供に乳の代わりに、薬草を煎じて飲ませた。
「よかり物」…妊婦は産後横になって寝ると、血の道という病気になると言われて、横になることを禁じられた。
「腹帯」…腹帯をきつく巻けばお腹の子が小さく育ち、安産となるとされた。
誤った風習は、医学の発達と共になくなりましたが、腹帯を巻く風習は根強く残っています。
腹帯をきつく巻くと、大静脈といって背骨の横を通っている大きな静脈を圧迫することになります。
その結果、循環が悪くなり足の浮腫や静脈瘤(静脈が大きく膨らんで浮き出る状態)が出現します。
また大動脈も圧迫される結果、腎臓への血液の流れが減少します。
腎臓への血流を確保するために血圧を上げる必要が出てきますので、腎臓からアンギオテンシンという血圧を上げるホルモンが分泌されます。
その結果、母体は高血圧となり危険な状態となります。
腹帯をきつく巻くと胎児が大きくならないのは事実のようですが、これは胎盤への血流が悪くなり胎盤機能不全による発育障害の結果だと考えています。
腹帯 | 医療法人社団 鈴峰今中医院
逆に、腹帯によるデメリットははっきりしており、腹帯によって、腹腔内の血管の圧迫が起こり、子宮内の血行が悪くなります。これによって血圧が上昇します。これらは胎児に悪影響及ぼします。
宗教的な意味以上に、医学的にメリットはありませんので、使われない事をお勧めします。
ちくご・ひらまつ産婦人科医院|腹帯
お医者さまも腹帯を巻くことを推奨しておらず、腹帯に安産の効果はないとされております。
つまり、安産祈願を行うのに、戌の日に無理にこだわる理由もないということです。
日柄の吉凶と安産・難産の因果関係はない

戌の日・大安・天赦日(てんしゃにち)に安産祈願をおこなえば、縁起がよいとされますが、その日に行ったからといって安産になるわけではありません。
反対に仏滅、不成就日、赤口などは縁起が悪いとされますが、その日に安産祈願をしたから難産になるわけでもないのです。
実際にわたしの妻は、戌の日以外の安産祈願で安産になりました。
安産祈願は妊娠五カ月目の戌の日に行うのが一般的ですが、わたしたち夫婦が祈願を行ったのは、子どもがお腹にいると分かってからすぐのことでした。
安産祈願というと、神官が装束を着て祝詞を奏上したり、妊婦が腹帯を巻くのを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
そのあとは、毎日の朝と晩との祈念でお腹の子どもの発育を願い、陣痛がはじまると心の中でもう一度押して願いました。
戌の日や大安などの吉日をまったく意識しない安産祈願でしたが、結果は3時間で出産を終えました。
また、分娩のあとは体力を使い切り歩くのが困難なほどフラフラになるそうですが、おかげを受けて、平日と変わらぬように歩くことができました。
縫ったあとの炎症もなく良好で、母乳もよく出るなど、万事おかげを受けたことを今でも思い出して妻と二人で話します。
出産のあとには助産婦さんに「理想的なお産でしたね」とお褒めの言葉をいただき、ありがたく思いました。
このように、戌の日以外の安産祈願でも安産のおかげはしっかりと受けられます。
安産祈願に六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)は気にしなくて大丈夫
日柄がお産に影響しないと分かっていても、人生の一大イベントなので、すこしでも縁起が良い日を選びたいと思うのが人情です。
現代のカレンダーには六曜が記され、安産祈願を選ぶ一つの基準になっています。
- 先勝(せんしょう)・・・午前は吉、午後は凶。
- 友引(ともびき)・・・朝晩は吉、昼は凶。
- 先負(せんぶ)・・・午前は凶、午後は吉。
- 仏滅(ぶつめつ)・・・大凶。
- 大安(たいあん)・・・大吉。
- 赤口(しゃっこう)・・・凶日。ただし、正午のみ吉
しかし、仏滅を避けたり、無理に大安を選ぶ必要はありません。
日柄の良し悪しをいっては、「神」へのご無礼となります。
仏滅だから日が昇らず空が真っ暗になるわけでも、友引だから昼だけ雨が降るわけでもありません。
人が良い日と言おうが、悪い日と言おうが、天地の神は平日と変わらず平等にお守りくださるのです。
神に願うのに、戌の日や六曜をはじめとする日柄の良し悪しを気にする必要はありません。
安産祈願は戌の日以外ならいつがおすすめ?
大切なお産に関することなので、縁起の良い日を選びたいのが人情ですが、それを優先するあまり、体調や天候がすぐれない日に行って体に障れば、元も子もありません。
姑が「戌の日と天赦日が重なる日は滅多にない」と妊婦の意向も聞かずに、無理強いをして仲違いするケースもあります。
また、戌の日や大安に安産祈願を行えなかったのが、心の残りとなって精神衛生上よくないとなれば、これもまたいけません。
安産祈願に望ましい日とは、戌の日でも大安の日でもなく、以下の日です。
- 妊婦の体調が優れる日
- 家族の都合がよい日
- 気温がよく天候がよい日
- 真剣に神へと向える日
日柄の吉凶を気にする必要はありません。自分に都合のよい日がよい日柄と心得るのが一番です。
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